違いの分かる男のサードウェーブコーヒー

ものすごく豪華なバロック調の装飾で統一された部屋でインスタントコーヒーを優雅に飲む

 そんな滑稽なCMも今は昔。Starbucks、Tully's、Seattle's best、色んなコーヒーショップが町のあちこちに店を開いてる今日この頃。
 スタバでiphoneやultrabookをいじるってる人見るのは見慣れた風景と化している。


昔ながらの喫茶店ってのはあんまり見なくなった。

 ジャズなんかが流れてて、丁寧にドリップされたコーヒーが出される。そんな喫茶店最近ないよなあ。観光地でもちょっと小洒落たお店もcafe'ってゆう感じ。

家庭ではインスタントかレギュラーコーヒー

 朝は、インスタントかコーヒーメーカーでちゃちゃっと作ってグビッと飲む。
コーヒーには人それぞれ好みがある。しかし、もっぱら深煎りで濃い渋みのものが好まれているように思える。

ラーメンとコーヒーはウンチク垂れる人が結構多い。
私自身は、あんまりコーヒーには興味なかった。
ところが、約3ヶ月前、kindle storeである本を読んでから、コーヒーに対する考えが少し変わった気がする。
本に感化されて購入したドリッパー

The third wave!

 茶太郎豆央著のサンフランシスコで体験した最新コーヒーカルチャーを紹介する本。


 良質で安価なコーヒーが身近に楽しめるようになった反面、全世界で同じ味、同じ品質を提供するために、大量消費、大量流通が行われ色んなところに歪みが出てきていたようだ。茶太郎豆央が紹介するコーヒーカルチャーは、スターバックス的なものとは一線を画する意外なトレンドだった。

へぇ?そうなんだあ。って感じで驚いた。

 小規模な焙煎所が、生産者と直接、あるいはフェアトレードでオーガニックの豆を仕入れ、大切に焙煎し、新鮮なうちに地元で消費する。そんな流れ。
 しかし、最も驚いたのはアメリカ西海岸のITの最先端を行くようなギークたちが、それを支持しているってこと。
 効率とは真逆の手間ひまかけた・・・・そう、手の混んだ手順を重んじた、なんだか日本人が好きそうなメンドクサそうなことをやってるんだなあ。

 この本のなかで、象徴的に”Starbucked"という単語が出てくる。

スターバックスの過去形。スターバックスとは違う道を行くってことらしい。
 地元でとれたオーガニックの豆を使い、丁寧に焙煎し、道具や所作にこだわって一杯ずつドリップして、丁寧にコーヒーを入れる。所作?アメリカ人が?
 まるで茶の湯かなにかのように、コーヒーを入れる時間を楽しむってな感じかな?
 季節ごとに変化する豆の風味を感じる。なんだか日本人みたいな・・・。 豆の風味を感じ取るために、焙煎は浅くなってるらしく、深入り濃い味のコーヒーとは違って、クリーンでスムーズ、わずかな酸味なんかを味わえる。その土地特有の豆、大量ではなく、少量の豆をじっくり味わう。
 おいおい、どうなってしまったんだ、そんな繊細なことアメリカ人っぽくないなあ。
 でも、ほんとにそんな風に、豆にこだわって、焙煎にこだわって、ドリップ方法にこだわっていれてるなんですばらしい。
 コーヒー文化の進化の過程もなんだかわかるようなすてきな本。いい本に巡り会えたって感じかな。
 コーヒー好きでも、そうでない人でも、おすすめの一冊。
 フェアトレード、少量生産、地元で消費、時間を効率的ではなく、丁寧に過ごすってながれはコーヒーだけじゃない気がする。色んなところで次の進化が起ころうとしている。進化は見えないところで徐々に根を伸ばし、ある日突然開花する。 世界を表面しか見てない人はビックリすることになる。




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