つい最近、大分県日田市にある薮不動尊にお参りに行った。不動尊は密教を伝えた弘法大師(空海)と縁が深いようで、藪不動尊の奥の院には弘法大師の寝泊まりしたという洞窟も祭ってある。
いやはや、しかし立派な溶結凝灰岩だな~なんて見上げてたら、お前はそれしか興味がないんかいっ!って言われそう。
密教ってこうゆうところで修行するってイメージ。溶結凝灰岩はかなり高い急崖をつくっていて、そこに小さな祠と凝灰岩を削って形どられた不動明王が鎮座している。
九州にはカルデラってよばれる陥没地形がいくつもある。阿蘇カルデラ、加久藤カルデラ、姶良カルデラ、鬼界カルデラなどなど。いずれも破局的大噴火を起こして火砕流を周辺に流したことで有名。藪不動尊は阿蘇に比較的近いから阿蘇火砕流堆積物の溶結凝灰岩かな?
破局的大噴火は九州全体を破壊し、地球の気候変動をもたらす。まあ、うん万年もまえの話でしょって、調べてみたら、阿蘇カルデラは阿蘇4噴火が8万年前、姶良カルデラの噴火は2万8千年前、鬼界カルデラは7300年前に噴出物を出してる!!! 人類(新人)誕生が20万年前、九州に人が住み始めたのが10万年前から3万年前くらいだとすると、阿蘇4噴火が静まった後くらいから九州に人が落ち着いて住み始めたのかなって想像。
しかしなあ、鬼界カルデラの7300年前ってつい最近だな。私のおじいちゃんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんの・・・・で150人くらい先祖を遡れば鬼界カルデラの噴火の影響(幸屋火砕流やアカホヤ火山灰)をうけて痛い目にあった先祖もいたかもしれないなあ。まあ、今は宮崎、鹿児島あたりのアカホヤ火山灰は豊かな農産物を育んでるけど、当時は大惨事だったろうなあ。
藪不動尊をあとにして、すぐ近くにある高塚不動尊に向かう。こっちはメジャーな不動尊、参道にはおみやげ屋さんがずらりと並ぶ。ここの手水舎の水が湧き出してる岩、よく見るとユータキシティック構造がくっきり。黒い軽石がガラス化して潰れて引き伸ばされたような構造はその岩石が溶結凝灰岩であることの見分ける目安ともなる。まあ、参拝にきてそんなとこ見る私もちょっとへんかな?
不動明王は、人間界の欲望や煩悩が天界に波及しないように烈火で焼き尽くす世界に住んでいると言われている。周辺を熱風と灼熱の噴出物で焼き尽くし、人の作った文明社会を焼き尽くす火砕流堆積物のイメージにぴったり。
どうぞ、私の生きている間は破局噴火が起こりませんように。これって自分勝手かな。不動明王の怒りをかいませんように。
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