宮崎は太平洋に向かって開かれている

私の母校、高千穂高校は、当時宮崎県内で唯一、地学の担当教員がいる高校だった。(過去形)


地学好きの私は当然毎回授業が楽しみで、授業は至福の時間。
 高千穂高校の近くには観光名所の高千穂峡があり、高千穂高校から高千穂神社に歩いて下ると、神社裏の「鎮石」の横を通って、遊歩道が渓谷まで伸びていた。
 体育系の部員にとっては地獄の階段特訓場所であり、カップルにとっては秘密の散歩道、そして地学好きにとっては、阿蘇火砕流堆積物のいろんな表情が見れる魅惑の遊歩道。マニアック。
 
今振り返ってみれば、高千穂町には観光名所としての高千穂峡以外にも、地質的に魅力あるコンテンツが沢山あったんだな~。
 実家の近く、天岩戸には、大崩山火山の花崗閃緑岩のリングダイク、秩父帯のチャートや石灰岩(このへんはジュラシックパークの時代)、ちょっと奥に入るとカムラってところにはフズリナがザクザクでてくる林道や、となり町の五ヶ瀬町祇園山には古生代シルル紀の化石も見られる。土呂久や尾平には鉱山があったくらいで、銅や銀などもとれていたようだ。
 高校時代に地学の基礎に触れた私。結局地質関係の大学に行って、その延長で地質関係の仕事をしているこの流れ。いいやら、悪いやら。
高校時代の恩師 青山尚友先生が、宮崎の地質に関する本を出版された。地学好きの私にとっては元気の出る本。そうでない人にとっては?な本。

宮崎の隠れた財産(磨けば光る観光資源)

に興味がある人には意外に役立つ本かもしれません。
「ここまでわかった宮崎の大地」鉱脈社 興味のあるかたはどうぞ。
まあ、民放2局しかなくて、高速もつながってなくて、国道10号線沿い以外は車がないと移動できない典型的な田舎の宮崎。でも神武天皇船出以来、日本の原点であると誇れる故郷でもある。

自慢できるのは青い空と青い海

くらいだけど、google earth で宮崎の海岸線を水平に見えるようにした状態で、クルッと地球を回してやる。地球はゆっくり回っていく。1分くらいまっても、太平洋の海ばかり、暫く待つと小さな島々を通り過ぎていく。うーん、海ばかり、海底の地形がふくざつだな。かなりの時間海底地形を眺める。太平洋って大きいな。やがて最初の大きな陸地にたどり着く。どこだ? 予想通り南米チリの海岸だった。
偉大なる田舎、でも陸の孤島って言われる宮崎だけど、こころはいつも開いていたい。太平洋に向かって。

 宮崎の大地を作った岩石はほとんどが海からやってきたんだから。




コメント