こんにゃく芋のほぞん穴と陶造形家のアトリエとの関係は?ない?

 こんにゃく芋はイノシシの好物らしい。実家のこんにゃくはイノシシに掘り起こされてかなりの被害を受けたって話。
 実家では掘りあげたこんにゃく芋は倉庫の片隅にしばらく放置されているけど、昔は斜面にほった横穴に保存してあったような気がするなあ。高千穂あたりでは戦時中の防空壕が色んなものの保存倉庫になってたりする。溶結凝灰岩の溶結度が弱いところは、ツルハシやノミで簡単に削れるから、防空壕にはもってこい。結構深く、長く掘ってあるものもあって小学生のちょっとした探検場所として活躍していた時期もあったなあ。
 高千穂あたりの溶結凝灰岩は阿蘇火山から流れてきたもの。「えっ?流れてきた? 火山灰だから降ってきて積もったんじゃないの?」なんて言われることがあるけど、溶結凝灰岩は、火砕流堆積物。「流」ってついてるから流れてきたものなんですよね~。
 阿蘇からはるばる長い時間かけて流れてきた? まさかあ。あっという間に流れてきたんだ。コミック的に表現すれば「ちゅどーん、ドッカーン、どばーっっと」流れてきた。ものすごい破壊力なんだけど、そのへんの実感はよくわかんない。まあ、雲仙普賢岳で発生した小規模火砕流みたいなイメージとは全く違う規模だ。そのへんの感覚は、以前紹介した石黒曜著『死都日本』って本を読むと破壊力の実感が湧いてくる。まあ、この小説は霧島火山の話だけど、阿蘇火山の破局噴火はそれ以上だったろうなあ。
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 保存洞窟として役立っているんだから、溶結凝灰岩も有益だな。私の生きている間に火砕流は来てほしくないけど。
 高千穂では裏山や谷沿いの特定のポイントに行くと、阿蘇の根子岳が見える。結構遠いイメージだけど、見えるってことは物理的に距離感をイメージできる。
 高千穂から車で1時間も走れば高森町、南阿蘇村に行ける。火砕流はこの距離を数十分で駆け下るんだろうけど。
 南阿蘇村で毎年秋になると、『谷人たちの美術館』ってイベントが行われる。このイベントがいいんだよね~。イベントのプロによって作りこまれた商売っけたっぷりのよくあるイベントと違ってサッパリしているところが最大の魅力。
 南阿蘇村に移り住んだ作家や地元の芸術家が自宅で思い思いに作品を展示したり、雑貨を販売したりしてる。スタンプラリーとか、パンフは一応あるんだけど・・・・・って感じ。
 各展示場(自宅や店舗)をめぐるんだけど、パンフに載ってるマップがチョ~アバウト。南阿蘇の農道や田んぼの脇道をあちこち探しまわる。これがなかなか見つからないんだよね~。目印は上り旗のみ。
目印ののぼり
 南阿蘇にはコジャレたカフェや雑貨やさん、色んな芸術家なんかが移り住んでる。私も実家に近いし、宝くじが当たったら住みたいなあって思ってるくらいいいところ。まあ、カルデラの中に住むことに若干懸念を持つのは過剰な反応かな。
 『谷人たちの美術館』のなかで、一番のお気に入りは、陶造形家「北里かおり」さんのアトリエ。バオバブの木をモチーフにした置物や種をモチーフにした花瓶やカップがなんとも言えない手触りと雰囲気をもって飾られている。

いいね~。この器手触りがいいんだよね。 火山の近くで焼き物を焼く。いいね~。
 日本人は火山と共に生きてきた。ローマ人と同じで温泉大好きだし。日本中どこに行ったって火山の影響が及ばないところはない。火山灰や泥流。溶岩流や火砕流に散々悩まされ、傷めつけられてきた歴史がある。それでもこの地に生きてきた。謙虚に火山と向き合い生きてきた。火山の影響からできるだけ遠ざかりたかったら、どこに行けばいいんだろう? 九州は霧島、雲仙、阿蘇、九重と火山だらけ。とくに霧島火山と阿蘇火山は過去に破局噴火をなんども起こしてるから、こんど噴火したら山口県位までは1時間以内に全員死亡だろうし、火山灰の影響で西日本は壊滅だろうなあ。関東は富士山が今にも噴火しそうだし。東北日本も火山だらけ。
 そのむかし、神武天皇が日向の美々津から船出して、東征して奈良に移り住んだのは阿蘇火山の噴火を避けるためだって説があるくらいだから、奈良県あたりが一番火山の影響が少ないのかな?
 まあ、日本列島は火山島弧なんだから、火山噴火から逃れることはまず不可能なんだけど。
南阿蘇、いいなあ。温泉あるし、名水って呼ばれる水源も沢山ある。雄大な景色。すべて火山の恩恵なんだけど、リタイヤーしたら、やっぱりこんなところに住みたいなあ。

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