白々しくても物語は大切だ。人の存在意義もストーリー次第?

 最近、なにかと領土問題がさわがしい。海洋国家日本にとって島々の領有権はたしかに重要だ。外交力がモノを云う問題だろう。今の政府に外交力があるとは思えないけど。でも対応を間違うと大変なことになるってことをキモに命じておかなきゃならない。この問題はいずれ戦争しなきゃ解決しない問題かもしれない。しかし戦争は今の平和で文化的な生活をいっぺんに失うことになりかねない。週末の娯楽や家族団らん、豊富な食材や最新のIT機器、いろんなものが手元から滑り落ちていくだろう。芋を食って飢えをしのいででも小さな島がほしいなら戦争にでもなんでも訴えたらいい。まあ、政治の手段のひとつにすぎない戦争にあえて訴えるのは、外交力のないショボイ政治家のやることだけど。
 今から67年前、大きな戦争に負けて以来、敗戦国として生きてきた日本。いまだに軍隊を持つことはできないし、国内にはアメリカ軍が駐留して睨みをきかせている。
第18師団 菊兵団記念碑
九州久留米の西鉄大善寺駅近くに玉垂神社がある。その神社の裏手にあるグラウンドの片隅に記念碑が立っている。『菊花士塔 第十八師団 菊兵団記念碑』とある。大日本帝国陸軍最強師団と歌われた第十八師団の記念碑だ。久留米出身者で構成された第十八師団は国軍最強といわれ通称『菊兵団』と言われたらしい。あたりは草の生えた荒れたグラウンド。案内看板があるわけでもなく、地元の人以外はその存在もあまり知られていない記念碑だ。
 神社の境内裏手から、荒れたグラウンドに回りこんで振り返るとぽつんと記念碑が立っている。塔の足元にはところどころに雑草が生えていて、木々の枯れ葉が沢山積もっている。なんだか寂しいん感じ。
 つい半世紀まえ、勇猛果敢に戦い、英雄的戦闘を行った兵士たち。いまでは野蛮で残虐な行為と受け取れれているんだろうけど、この寂しい記念碑はなんだか悲しすぎる。
 イラクやアフガニスタンで戦った米兵にはそれなりに名誉が与えられている。いちおう物語も与えられている。我々の先祖が日本のために奮闘した結果は今、忘れ去られようとしている。物語は与えられていないし、反対に屈辱の物語を押し付けようとする輩がいるくらいだ。
 なにか、私達の世代はやり残している気がする。アジア諸国は、ことあるごとに日本に歴史認識を問う。そうだ、私達の世代はもう一度、過去の戦争を総括する必要がある。
 東日本大震災と原発事故で明らかなように、この国は責任を明確にしないくせがあるようだ。あの戦争の責任は明確になっているだろうか?東京裁判の内容なんてどうでもいい。我々は我々自身の手で、あの戦争の責任をはっきり問うべきだ。それが再発防止にもなり、これからの迷える日本の道標にもなる。
 あの戦争にも責任を追うべき指導者や組織があるはずだ。戦争指導者や官僚組織、当時のマスコミ、もっともっと断罪されるべきだ。あらいざらい戦争責任を追求し、これでもかというくらい徹底的に断罪すべきだ。とくに何くわぬ顔をして戦後も生き残っている官僚組織は徹底して断罪されるべきだ。そして、そのあとに地方から動員され、必死で戦争を闘いぬいた戦士には物語と名誉が与えられるべきだ。
 まあ、東電さえ断罪できない今の日本人にそれが可能かかなり疑問もあるが・・・・、
 地方には、隠れたところに記念碑がある。それは純粋に国民のために戦ってくれた先祖を祀る記念碑だ。我々の世代は彼らに物語を与えて来なかった。屈辱の歴史を与えただけだ。戦争責任が真に徹底的に行われれば、その行き着く先は日本国民が断罪されることになるだろう。国民一人ひとりに責任が問われることになる。今の時代もまた同じ。政府は厳しく監視しなければ、なんでもやっちゃうのが歴史の示す真実。
 さあ、次の選挙はどこに一票入れるべきか?しばらく真剣にかんがえねば。
玉垂神社

コメント

  1. 世界最強の陸軍部隊と言われ、蒋介石からさえ「東洋道徳の模範である」「全中国軍は範とせよ」と言われた菊兵団の記念碑が忘れ去られているというのはとてもさびしいですね。
    祖国を守るために戦い続けた人たちのことを忘れないようにしたいものです。

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