宮崎県立図書館、もっと蔵書増やしてよ!ホメロスも泣いている

 十数年ぶりに「オデュッセイア」を読んだ。宮崎県立図書館に初めて行った。立派な建物におお。久々にギリシャ・ローマ系の神話や叙事詩なんかをたらたら読んでみるかなあって感じで図書館を訪れた。あるいみ現実逃避でもある。
 宮崎県立図書館、建物は立派だけど、蔵書がなんだか少ないような? 図書館ってこんなものなのかな。ざっと棚を見ただけでもなんだかものたりない。倉庫にはたくさんあるのかも知れないけど、棚の分類もどうも個人的にあわない。
 目的のギリシャの棚へ、あれ?「オデュッセイア」がない! うーん、ギリシャ関係の全集の中にあるから省略されているのかな?
 ギリシャ関係書籍は本棚の一列のみなので、無いことはすぐにわかった。さあ、どうするかな。しばらく眺めていると、「オデュッセイアを楽しくよむ」って本が見つかった。これにしとくか。
 カウンターで手作り感いっぱいの図書館利用券(なんか昔のレンタルCD屋さんの会員カードみたいにラミネート加工がしてある)を作ってもらって、借りてきた。
 さあ、読むか。久々にオデュッセウスに対面。冒険心をなくしたサラリーマンにはいい刺激だ。ハリウッド映画顔負けのアドベンチャーだ。金髪の女神もたくさん出てくるし。メネラオス、カリュプソ、ナウシカア、セイレン、ペネロペイアなどのい女性の名前がいいなあ。
 最後まで一気に読んでしまった。もちろん、オデュッセイアのエッセンスを汲み取って要約してあるこの本の構成が良かったのかもしれないが、いい気分で読み終えた。
 満足行く読書時間だった。しかし、もっとも気に入ったのは著者が冒頭で読者宛てに書いた以下の文だった。
『・・・オデュッセウスは求婚者たちを皆殺しにした後、ペネロペイアをおいて再び航海に出ることになっている・・・・それは人を旅へと駆り立てる脅迫観念であり、人に一生ついて回るものなのだ。人間は2つのカテゴリーに分けられる。旅へと駆り立てる脅迫観念をもっている人々と、持っていない人々と。もし、読者がそれを持っているなら、港には一艘の船があなたを待っていることを知っておいてほしい。荷物の心配などする必要はない。切符の値段など気にするな。行き先など聞いてはならない。大事なことは出発することなのだ』
 トロイ戦争の帰途に、災難にあい、ふるさとになかなか帰れなかったオデュッセウス。ほんとは妻のもとに帰りたくなかったんじゃないの? と思うくらい地中海世界を冒険しまくる。たくさんの女神に気に入られる。
 まあ、久々に冒険物を読んだからといって、明日から仕事と家庭を捨てて、冒険行ってくるってやつは現代にはそんなに居ないだろう。
さあ、明日もまじめに会社行こっと。


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