グローバルテクトニクスってローカルな眺め?釣り人には、若い女性の応援団?


延岡衝上断層かもしれない、露頭を見に行く機会に恵まれた。ハンマーさげて、キャラバン履いて露頭に行くの久々だな。
宮崎市内から延岡へ移動。それから、海岸沿いに北上して、神戸地区から、安井地区へとたどり、北川層群の露頭をひとしきり観察。
学生時代に地学ハンドブック片手に、いろいろ巡検して回った記憶が蘇る。
褶曲、層間劈開、ブーディンうーん色々ありますなあ。
安井浜の露頭、層間劈開が見られる
ブーディン構造 砂岩がちぎれたようになっている
  
楽しい。
 いい大人がぞろぞろと地面見ながら、あれやこれや話しながら海岸線をあるく。釣り客のおっちゃんが、なんだこの集団?って思ったろうなあ。
安井から神戸に県道212号を南下して、太平洋が広く見渡せる道路脇から、再び断崖を海岸まで降りる。
延岡衝上断層かもしれない露頭目指してしばらく歩くと、案内人の方がここがその露頭です。指さす方向を見ると、確かに断層。
せん断された頁岩?主体の日向層群神門層と北川層群の千枚岩が接している。実際は断層はかなりの幅をもって分布しているはずなのでこの断層面が主では無いのかもしれいけど、確かにここを境に地層が変わってる。
地質学の基本の一つ、地層累重の法則。古い地層の上に新しい地層が堆積する。当たり前か?でもこの場所は違う。
イメージとしてはプレートの移動によって次々と堆積物が付加されていく過程で、北川層群の下に日向層群が潜り込んでいる。古い地層の下に新しい地層があることになる。この場所が、プレートテクトニクスの裏付けをあたえているような場所だよなあ。
延岡衝上断層かもしれない露頭

近づいて詳しく観察、と思ってよく見ると、丸いパッチ状の穴がポツポツ。ドリルで開けた穴だな。えっ、これってあり? 確かに国定公園でもないし、県指定天然記念物でもないけど、結構有名な露頭なのに、勝手にこんなことしていいんかいな。一般人がこんな事するはずないから、どっかの大学? 節操もない研究者がいるんだなあ。なんておもいながら、すこし周辺を見てみると、こんどは電動カッターでざっくり切り取ったあとが。おいおい、ハンマーで割って持って帰るなら可愛いけど、ここまでするか。
ハンマーの先端付近を境に上が北川層群、下が日向層群。
ハンマー左側に見られるいくつもの丸い穴は誰かがサンプリングのためにあけた穴。
まあ、こんな露頭は、本来保護するべき対象なのかもしれないのに。研究者の考えでは、延岡市民や宮崎県民には必要ないだろうってことかな? 研究者はかってに切り刻んでサンプルを持って帰る。悲しいなあ。
まあ、久々に学生気分になって露頭めぐりしたから、気分は爽快なんだけど、最期にちょっといやなところを見てしまった感じ。
気を取りなおして次回も機会があれば、巡検参加しよっと。
ん?あたりから、若い女性の声が・・・、釣りしてる彼氏を応援に来たのか、楽しそう。
グローバルテクトニクスのうんちくを話し合ってるおっさんグループより、ローカルな釣り客のグループに入りたいって思うこの気持、なんだかなあ。

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